いなばの◯描きブログ

遠野の漫画練習blog

新作を書いているんだが…(2)

新作を書いているんだが、まじめにノインくん(仮)と管理人が合わない件。

 

今回新作を書くにあたってWeb小説で受ける展開と主人公について考えていたのですけど、要約すると『圧倒的な強さで敵を倒してみんなから尊敬される人気者』なのかなと。

ここだけ見ると手元の本も概ねそうですけど、Web小説だと、ここの上限がカンストしているような…?ものすごく願望に振りきってるな!という印象が強いのですが、実は書くのがとても難しいジャンルです。

最強ということは、そこに至るまでの過程がある。

人気者ということは、それだけの魅力がある。

管理人はここを丁寧に書きたい派ですが、Webではまどろっこしい展開は避けられがちです。サクサクしたものが好まれやすい。そして一人称が人気です。

つまりは主人公が語り手になることが多いため、テンションが異様に高かったり、何ページにも渡って葛藤が書かれていれば読む側が疲れてしてしまう。だからどうしても感情の上下。とくに下限にはセーブがかかる。物事を冷静にみれて悩まない性格が望ましい。

そのためには鬱展開を避けたい→『なんでも解決できる最強主人公』の図式になるのでは?モテる理由も最強だから?強い者に心が惹かれる生物的な本能か、とかとか考察してみたり。

 

では、なぜそれを書くのが難しいのか。

──苦手な話だからだよ!

悩んで苦しんで悔しい想いに歯噛みにして、それでも這い上がろうともがき続ける強い意志!あるいは作中で語られないにしても、ああ、きっとこの人は昔は大変だったんだろうなと分かる、重みのある言葉に共感するからですね。もちろん物語的には楽しいので高スペック(チート)は大好きです。

でも展開には劣勢が欲しい。何でも思い通りに行く人生なんて無い。だけど最後は、最後だけは勝って報われる話を!そんな話が大好きです。あと頭脳戦も(作者側に立つと考えるのが大変)。

とはいえ、それは本一冊使って作るからできる仕掛けであって、Web小説ではその構造は取りにくいのが現状です。最後まで読んでもらうには、小まめなカタルシスを入れて離脱を防ぐ必要があるし、つねに主人公が優勢であることが望まれる。

つまり、書きたいものがWeb小説では相性が良くないんだよ!

……え?それは単なる実力不足では?自分の要望も入れて、誰もが読みたくなる面白い話をかけよ?

ええ、そうですね……本当に…正論です…。

実は最近また構成力が無いことに悩んでおりまして。年に二回くらい周期的に訪れる悩みなんですけど、毎回「ふっざけんなァァ」ってなりますね。

今日もソファーのクッションをボスボスしていました。なんで賞に受からないのか。どうしてPVが回らないのか。なぜ面白い話が書けないのか。

縁がない?運が悪い?経歴が浅いから仕方ない?

馬鹿かよ。どんな理屈で言い訳したところでテメェの力量不足なんだよ。いつになったら報われるかだと?ふざけんなっ!そんな未来なんざ──

と、これ以上は自重しておきますが大荒れです。ちょっとね、構成を勉強するべくアニメを見たり本を漁っていたら、実力差を痛感して自分に怒りが……

 

そんなわけで、管理人の精神状態とは反対に、新作の主人公は十代半ばとは思えない落ちつき具合になりました。別に願望とかではなくて、描写の都合です。

しかもサクサクいくようにバトルの爽快感を追求したら少々倫理観がぶっ飛んでしまった。さらにさらに、精神が達観している子なので、本人は常に高い位置からまわりを見下ろしていて、気まぐれにヒロインを助けるし、敵を怒らせたり、わりと現実にいたら嫌な奴になってしまった……というか元上司を想起させる。

この心無い感じがよく似ている。相手の痛みがわからないところもそっくり。よって端的にいえば、「無理☆」なのですが、ここから好感度をあげるために良い人ムーブするので大丈夫なはず…。

それにまぁ管理人自身も前職のせいでだいぶ歪んでいますからね。そういうほの暗い感情も分かる。けれど、分かるけど、分かるんだけど、それをやったら人じゃなくなる、みたいな。

つまりはあの職場の人たちは人間では無かった…?

なんて冗談はさておき。内なる葛藤です。書き始めたはいいけどノインくんとどう向き合えば!